手紙のマナー

まずは手紙ではなく電話で済ます場合にしてみましょう。これが一番手っ取り早い方法でもあります。「略儀で恐縮です」と前置きし、それから贈り物への感謝、そして相手の体の具合などを伺います。
話し方はいつもの通りで構いません。相手が目上の人なら、それなりに敬語で話せばいいわけです。電話なら、お互いに声を聞いて安心できるメリットもあります。手紙だと、どうしても仰々しくなるものです。手紙が苦手な人は電話でお礼を言ってください。
さて、快気祝いのお礼状ですが、この場合は先に先方からお礼状が来ているので、返信の手紙ということになるでしょう。それなら頭語は「拝復」でいいかと思います。「謹復」というのもあります。ちなみに結語は「敬具」、「拝答」、「敬答」です。
次は「時候の挨拶」です。手紙の中で頭語の後に時候の挨拶がきます。季節にふれる挨拶は手紙のもつ美しい伝統のひとつです。時候には慣用句があります。3月なら「早春の候」、「陽春の候」。8月なら「残暑厳しき折」、「晩夏の候」。10月なら「仲秋の候」、「清秋の候」。
時候は毎月変わっていきますが、その通りに使えばいいので難しいことはありません。やや堅苦しいと思うかもしれませんが、こうした形式を守っておけば、手紙としての役割は安定します。あとは自分なりの表現を使って相手に御礼の意思を伝えれば良いでしょう。